アイゼン・ピッケルは雪山での大切な相棒。
刃先が丸くなっていると、硬い雪・氷に刺さらず、転倒・滑落にも繋がります。
また、使用後メンテナンスを怠ると「サビ」が進んで劣化することも。
アイゼン・ピッケルを研いでくれるサービス HAREYAMA
そんなアイゼン・ピッケルをメンテナンスしてくれるサービス「HAREYAMA」。
名古屋で開催された冬山フェスタでご一緒させていただいたきっかけもあり、そのアイゼン・ピッケル研ぎのやり方を教えていただける体験教室に参加させていただきました。今回の記事はそのレポートとなります。
細かなテクニックなどは本記事では割愛しています。技術を学びたい方は、ぜひご自身でHAREYAMAさんの体験教室にご参加して習得してくださいね!
時間がない、遠いという方は、メンテナンスサービスをぜひご利用ください。
HAREYAMAの所在地は、やまスクの拠点・名古屋のお隣にある日進市です。
研ぐ前後の変化
読者の皆さんはまずは研ぐ前後の変化を知りたいのではないでしょうか。
研ぐ前はこちら。
サビがあり、刃先も丸いですね。
そして研いだ後はこちら!
サビも取れて刃先も鋭く、氷の斜面でも確実に刺さってくれそうですね!
こうやって見てみると、研ぐ前は「なまくら」だったなぁと感じます。
まずは安全対策から
作業を始めるにあたって、安全対策に関する説明を受けます。
尖った金属を扱うため安全のために手袋・膝当てや刃のガードを使います。研いだ後の写真を見るとおわかりのように、研がれた刃は凶器のように鋭くなります。安全対策はしっかりとしましょう!
サビ取り
サビ取り・サビ防止のスプレーをかけ、鉄のブラシでサビ取りをします。
サビ取り後は以下のようにきれいになります。
アイゼン研ぎ
アイゼンの刃は尖っているため、膝当てを装着してそこに固定。平ヤスリで研いでいきます。
撮影のため刃のガードは当てていませんが、実際に力を入れて研ぐ際には、下記のようにガードを装着し、尖った刃先が体に当たらないようにします。
アイゼンを研ぐ難しさ
研ぐ作業ですが、想定していたよりもかなり難しいです。
研ごうとする刃にヤスリを当てようとすると、他の刃が邪魔して思うように研げないことも。何度もアイゼンの位置・向きを変えて良いポジションを探します。
加えて、腕が疲れる点。
今回持ち込んだ物は12本爪アイゼン。1本目の刃を終えた時点で腕がやや疲れ、「両足分を研ごうとするとあと23本もやるのか…」と絶望的な気持ちに。
個人的に掴んだ疲れないコツとしては、力を抜き腕の重さを載せてヤスリを滑らせていくこと。途中からこの研ぎ方に変更し、疲れが軽減しました。
ピッケルのピックは更に難しい
アイゼンの次はピッケルにチャレンジ。
ピッケルのピック(上の写真の右側の刃)は小さくいため、簡単に終わると甘く見ていましたが、実際には繊細で難しいです。
緑の矢印の面は、対になる面が裏側にもあり、刃を鋭くするにはそれぞれの面を同じ角度になるように研ぐ必要があります。一方の面はするどすぎてもう一方の面は角度がゆるすぎると刃先がいびつな形に。さらに緑の矢印の面は均等に研ぐことが必要で、上部のみにヤスリがあたっていると、下部の赤い矢印の箇所がどんどん丸くなっていきます。ピッケルのピックを研ぐには繊細さが要求されます。当初想定していたよりも時間がかかりました。
疲れとともに、湧き上がる感情
アイゼンを研ぎ終わるまでにかかった時間は2時間ほど。
疲れた腕で研ぎながら、胸に浮かぶのは、道具の作り手への感謝の念と、道具への愛着。
アイゼン・ピッケルを作ってくれた人の想いがあってこれらが手元にあります。製造の過程で丹精込めて研いでくださったのでしょう。作ってくれた人、販売してくれた人への「ありがとう」の気持ちが湧いてきます。
このアイゼン・ピッケルで北アルプス・霞沢岳、中央アルプス・宝剣岳も登ったなぁという思い出も蘇ります。
今後も一層、山の相棒であるMyアイゼンとMyピッケルをもっと大事にしようと思ったのでした。
体験教室を終えて
3時間ほどで体験教室は終了。アイゼンを元通りに組み立てて解散です。
慣れればもっと短い時間で仕上げられるでしょうが、なかなか時間がかかりました。
研ぎ澄まされたアイゼンの刃は軽く触るだけでも痛いほど。刃のカバーや手袋・膝当てなどの安全管理の重要性を実感しました。
安全管理から研ぎ方のコツ、仕上がりのイメージまで学ぶことができ、大変充実した時間でした。
そしてアイゼン・ピッケルは、購入した時よりも鋭くなりました!大満足です!
HAREYAMAさん、ありがとうございました!
耳寄り情報!HAREYAMAのメンテナンスはふるさと納税対応!
今回の所要時間は、12本爪アイゼン×2とピッケルを研いで3時間ほど(慣れればもっと短くなるとは思います)。
そのかかる時間と労力と仕上がりのクオリティを考えると、「自分で研ぐよりもHAREYAMAにお願いしたほうが良いのではないか?」と考える方もいるでしょう。
メンテナンスを依頼したい方には耳寄り情報です。HAREYAMAさんはふるさと納税に対応しています。
楽天、ふるさとチョイスなどで申し込めます。気になる方は「HAREYAMA ふるさと納税」で検索してみてくださいね!
自分で研ぐ自信や時間がない方は、ぜひHAREYAMAをご利用ください!
HAREAYAMAのメンテナンス依頼が多い時期は冬山登山が始まる頃とのこと。冬に雪が降ったらすぐに登り始めたいという方は、冬が来る前、残雪期や夏山で使い終えた後に依頼を出すと余裕を持って受け取れるでしょう。
自分で研ぐ自信や時間がない方は、ぜひHAREYAMAをご利用ください!